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TikTok採用ブランディング 求人媒体に頼らず「ありのまま」で勝つTikTok採用戦略の全貌

TikTok採用ブランディング 求人媒体に頼らず「ありのまま」で勝つTikTok採用戦略の全貌

企業の成長を支えるのは、いつの時代も「人」です。しかし、今、その「人」を集めるためのルールが根本から変わろうとしています。

かつては、有名な求人媒体に高い掲載費を払い、綺麗な写真と整った文章を載せておけば、一定の応募が集まりました。しかし、今の現場ではどうでしょうか。「求人を出しても反応がない」「面接に来ても熱量が低い」「すぐに辞めてしまう」。そんな声が多くの経営者や人事担当者から聞こえてきます。

これは景気の問題だけではありません。求職者、特にZ世代を中心とした若手人材の「情報の受け取り方」と「価値観」が劇的に変化しているからです。

本記事では、この変化の波を乗りこなし、求人媒体に頼ることなく、御社に深く共感する質の高い人材を集めるための「TikTok採用戦略」について、その全貌を解き明かします。

採用の常識が音を立てて崩れています

私たちは今、採用におけるパラダイムシフトの渦中にいます。これまでの「企業が選び、求職者が選ばれる」という構図は崩れ去り、完全に「求職者が企業を選ぶ」時代となりました。

特に、デジタルネイティブであるZ世代や、キャリアの再構築を考える20代後半の層は、企業が発信する「広告」を直感的に見抜きます。彼らにとって、求人サイト上の美辞麗句や、プロが撮影した演出過剰な写真は、もはや判断材料としての価値を失いつつあるのです。

「飾られた言葉」がスルーされる理由

なぜ、従来の求人広告が届かなくなったのでしょうか。それは、情報の非対称性が解消された現代において、人々が求めているのが「綺麗にパッケージされた情報」ではなく、「嘘のないリアルな情報」だからです。

SNSを開けば、個人の本音が溢れています。そんな環境で育った彼らは、企業側が一方的に見せたい「よそ行きの顔」には興味を示しません。彼らが知りたいのは、入社した後に自分が見ることになるであろう日常の風景であり、一緒に働くことになる上司の素顔であり、時には仕事の泥臭い部分でもあります。

目指すのは「自社だけの採用チャネル」の構築

ここで提案するのは、既存の求人プラットフォームの中で競い合うことではありません。TikTokという強力な拡散力を持つメディアを活用し、御社独自の「採用チャネル」を構築することです。

これは単なるテクニック論ではありません。企業の「ありのまま」をコンテンツ化し、それに共感するファンを作り、入社へと繋げる。そして入社後も定着する。そんな本質的な採用ブランディングの構築プロセスです。

まず現在の採用市場で何が起きているのか、そしてなぜ今「動画」なのか、その背景とメカニズムを深く掘り下げていきます。

採用クライシス 条件ではなく「共感」で選ぶ世代

「給与を上げれば人は来るだろう」「福利厚生を充実させれば選ばれるだろう」。もしそう考えているとしたら、少し認識をアップデートする必要があるかもしれません。もちろん、条件面は重要です。しかし、現代の求職者が最終的な決断を下す決定打は、そこにはありません。

物質的な報酬から精神的な充足へ

Z世代を中心とする若手求職者は、幼い頃から物質的にある程度満たされた環境で育ってきました。そのため、彼らの欲求の重心は「生活の糧を得ること」から「精神的な充足を得ること」へとシフトしています。

彼らが就職活動で最も恐れているのは、給料が安いことよりも「自分らしくいられない環境に身を置くこと」や「価値観の合わない人たちと時間を過ごすこと」です。つまり、彼らにとっての優良企業とは、大手企業や高給与企業ではなく、「自分の感性にフィットする場所」なのです。

この「フィット感」や「共感」といった曖昧な要素こそが、現代の採用における最重要項目となっています。しかし、この「共感」を従来のテキストベースの求人票で伝えることは、極めて困難です。「風通しの良い職場です」という文字情報だけで、本当の空気感を感じ取れる人はいないでしょう。

言語化できない「空気感」を伝える動画の力

ここで登場するのが、TikTokをはじめとするショート動画です。動画が持つ情報量は、テキストの数千倍とも言われますが、重要なのは量だけではありません。「質」の違いが決定的です。

動画は「非言語情報」を伝達するのに最も適したメディアです。 社員同士が交わす何気ない会話のテンポ、オフィスに流れるBGM、会議中の真剣な眼差し、休憩時間の笑い声。これらはすべて、言葉にするのが難しい情報です。しかし、求職者はこれらを無意識のうちに受け取り、「なんとなく良さそう」「ここは自分に合いそう」という直感的な判断を下します。

例えば、社員食堂でのランチ風景を15秒間映すだけで、そこにある人間関係のフラットさや、リラックスした雰囲気が伝わります。テキストで「仲が良いです」と書くよりも、動画で笑顔を見せる方が、圧倒的に信頼性が高く、かつ脳に直接訴えかけることができるのです。

TikTokが「就活ツール」になっている現実

「TikTokはダンス動画を見る娯楽アプリだ」という認識は、もはや過去のものです。今やTikTokは、Google検索や食べログと同じように、情報収集のための検索ツールとして機能しています。

就活生たちは、気になった企業があると、まずTikTokやInstagramでその企業名を検索します。そこで働いている人のリアルな様子を確認するためです。もしそこで、魅力的な動画アカウントが見つかれば、彼らの志望度は一気に高まります。逆に、何も情報が出てこなければ、「実態のわからない会社」として選択肢から外されてしまうかもしれません。

採用ファネルの入り口を変える

従来の採用活動は、「求人媒体を見る」→「条件で絞り込む」→「応募する」という流れが一般的でした。しかし、TikTok採用戦略では、この入り口が変わります。

  1. 受動的な発見(Discovery): おすすめフィード(レコメンド)に流れてきた動画をたまたま目にする。「面白い会社だな」「社長がユニークだな」と興味を持つ。
  2. 能動的な検索(Search): 企業の他の動画を見たり、Googleで企業名を検索(指名検索)して、コーポレートサイトや採用ページを訪れる。
  3. 共感と応募(Action): 企業のカルチャーを深く理解した上で、「ここで働きたい」という強い動機を持って応募する。

このフローの最大の特徴は、最初の接点が「条件」ではなく「カルチャーへの興味」から始まっていることです。そのため、応募してくる人材はすでに御社の雰囲気を知っており、好意を持っている状態です。これにより、選考辞退率の低下や、入社後のミスマッチ防止といった劇的な効果が生まれます。

媒体依存からの脱却とコスト削減

求人媒体は、掲載期間が終われば情報は消えてしまいます。つまり、毎回お金を払って集客し続けなければなりません。これは「フロー型」の投資です。

一方、TikTokで自社のアカウントを育てることは「ストック型」の投資です。投稿した動画は資産として残り続け、24時間365日、御社の魅力を発信し続ける営業マンとなってくれます。フォロワーが増えれば増えるほど、採用コスト(CPA)は下がり続け、最終的には広告費ゼロで優秀な人材を採用し続けることも夢ではありません。

ここまでは、なぜ今TikTokが採用に必要なのか、その背景にある市場の変化と動画の優位性についてお話ししました。 しかし、「動画が大事なのはわかったけれど、じゃあ具体的にどんな動画を出せばいいの?」「ただ面白い動画を出せばいいわけではないでしょう?」という疑問を持たれた方も多いはずです。

ここからは、ただ再生数を稼ぐだけではない、「採用に直結する」ための戦略論と、明日からすぐに実践できる具体的なコンテンツ企画について深掘りしていきます。ここで重要なキーワードとなるのが、心理学的なアプローチである「RJP理論」です。

なぜ今「動画」なのか、そしてZ世代が何を求めているのかという市場の背景を解説しました。第2部からは、より実践的な内容へと踏み込んでいきます。

多くの企業が陥りがちな「良く見せようとして失敗する」罠を回避し、ミスマッチのない採用を実現するための戦略論(RJP理論)と、明日からすぐに撮影できる具体的なコンテンツ企画について解説します。

戦略論 企業の「ありのまま」を武器にするRJP理論

採用動画を始めようとすると、多くの企業がまず考えることがあります。「うちには映えるオフィスがない」「美男美女の社員がいない」「誇れるような福利厚生がない」。だから、プロの映像制作会社に依頼して、きれいなBGMを乗せ、演出を加えた「かっこいいPV」を作ろうとします。

しかし、断言します。TikTok採用において、そのアプローチは逆効果になる可能性が高いです。なぜなら、作り込まれた完璧な映像は、視聴者(求職者)にとって「広告」として認識され、無意識のうちに心のガードを上げさせてしまうからです。

ここで重要になるのが、組織心理学の分野で提唱されている「RJP(Realistic Job Preview:現実的な仕事情報の事前開示)」という考え方です。

良いことばかり言う企業は信用されません

RJP理論の本質は、「仕事のポジティブな側面だけでなく、ネガティブな側面(厳しさ、大変さ、泥臭さ)も含めて、ありのままの情報を事前に開示する」ことにあります。

従来の求人広告では、「アットホーム」「残業少なめ」「やりがいのある仕事」といったプラスの情報ばかりが強調されてきました。しかし、求職者は馬鹿ではありません。「そんなに良いことばかりのはずがない」と本能的に疑っています。

TikTokというメディアの最大の特性は「リアリティ」です。ここで企業がすべきことは、自社を飾り立てることではなく、むしろ「仕事のリアルな厳しさ」や「社内の独特なノリ」を隠さずに見せることです。

「覚悟を持った人材」だけを集めるフィルター効果

ネガティブな情報を出すことに恐怖を感じる経営者の方は多いかもしれません。「そんなことを言ったら、応募が来なくなるのではないか」と。

確かに、応募の「数」は減るかもしれません。しかし、RJP理論に基づいた情報発信によって離脱するのは、「その厳しさに耐えられない人」や「カルチャーに合わない人」です。これは採用活動における損失ではなく、むしろ**「コストのかかるミスマッチを未然に防いだ」**という大きな成果です。

逆に、厳しさや実情を知った上で「それでもやってみたい」「その環境なら自分が成長できそうだ」と感じて応募してくる人材は、すでに入社への覚悟が決まっています。彼らは入社後のリアリティショック(理想と現実のギャップ)を感じにくいため、早期離職のリスクが極めて低く、定着率の高いコア人材へと育っていきます。

綺麗事ではない「リアル」がエンゲージメントを高める

TikTokのアルゴリズム的にも、「完璧な動画」より「人間味のある動画」の方が評価されやすい傾向にあります。

例えば、社員が仕事でミスをして落ち込んでいる姿や、それを先輩が励ましている(あるいは愛のあるツッコミを入れている)様子。こういったシーンは、一見すると企業の恥部に見えるかもしれません。しかし、視聴者にとっては「この会社には失敗を許容する空気があるんだ」「人間関係がウェットで温かいんだ」という、強烈なポジティブメッセージとして変換されます。

失敗や弱みを見せられる企業こそが、Z世代からの「信頼」という通貨を獲得することができます。

コンテンツ企画 明日から撮れる動画の演出論

戦略の方向性が定まったところで、次は「具体的に何を撮ればいいのか」というコンテンツの企画立案に移ります。

「ネタがない」と悩む必要はありません。社内を見渡せば、コンテンツの種はそこら中に転がっています。大切なのは、それを「採用目線」ではなく「視聴者目線(エンタメ目線)」で切り取る演出力です。

ここでは、特に効果の高い3つのカテゴリーについて解説します。

1. 社長出演動画:カリスマ性より「イジられやすさ」

中小・ベンチャー企業において、社長のキャラクターは最強のコンテンツです。しかし、ここで目指すべきは「威厳のある立派な社長」ではありません。目指すべきは「親しみやすい、愛される社長」です。

社長へのドッキリ・無茶振り企画

Z世代に響くのは、権威ある人物が翻弄されている姿です。「社長室にいきなり突撃してみた」「社長に今若者の間で流行っているダンスを踊らせてみた」といった企画は鉄板です。

普段は真面目に経営をしている社長が、社員からの無茶振りに苦笑いしながらも応じてくれる。この数秒の映像だけで、視聴者は「この会社は社長と社員の距離が近いんだな」「風通しが良さそうだな」と直感的に理解します。社長の威厳を下げるのではなく、社長の「器の大きさ」を見せる演出と捉えてください。

社長の「人間味」を掘り下げる

また、社長の個人的な一面を見せるのも効果的です。例えば「社長の鞄の中身チェック」や「社長の休日の過ごし方」。高価な腕時計を自慢するのではなく、ボロボロになるまで使っている手帳のエピソードや、コンビニスイーツが好きといった意外な一面を語ることで、雲の上の存在だった社長が、一気に「一緒に働きたいリーダー」へと変わります。

2. 社員の日常:飾らない「現場の空気」を切り取る

採用担当者がカメラを持って、「はい、今からインタビューします!」と構えると、社員は緊張してよそ行きの回答をしてしまいます。これではTikTokの視聴者には刺さりません。狙うべきは、カメラを意識していない「隙間時間」です。

ランチ風景の「盗み撮り風」アングル

社員同士が昼休みに弁当を食べながら談笑している様子を、少し離れたところからズームで撮る(もちろん本人の許可は得ますが、演出として)。そこにある会話の内容は何でも構いません。昨日のテレビの話や、週末の予定など。

重要なのは話の内容ではなく、「社員同士が本当にリラックスして笑い合っている」という事実を映像として見せることです。テキストで「仲が良いです」と書くよりも、この10秒の映像の方が、職場の心理的安全性を雄弁に物語ります。

リアルな「仕事の裏側」と失敗談

仕事中の真剣な表情ももちろん大切ですが、それ以上に共感を呼ぶのが「失敗談」です。「入社1年目の時にやった最大のやらかし」を先輩社員が語る動画などは、非常に人気があります。

「あの時は本当に焦ったよね」「でも、あの経験があったから今があるよね」と笑い話に昇華できている様子を見せることで、求職者は「失敗しても見捨てられない環境なんだ」と安心感を覚えます。

3. Q&Aコーナー:就活生の「聞きにくい」に答える

TikTokのコメント機能や、Instagramの質問箱に寄せられた質問に動画で回答する形式です。ここでは、誠実さがすべてです。

タブーに切り込む勇気

「残業は実際どのくらいありますか?」「ぶっちゃけ給料は足りますか?」「配属ガチャはありますか?」 こういった、面接では聞きにくい質問こそ、動画で答えるべきテーマです。

これに対して「残業はほぼありません!」と嘘をつくのは最悪です。「繁忙期は月に40時間くらい行くこともあります。正直きついです。でも、その分プロジェクトが終わった後の達成感はすごいですし、代休もしっかり取れます」と、メリットとデメリットをセットで正直に語ります。

制度の透明性をアピール

転勤や配属についても、「希望が100%通るわけではありません」と明言し、その理由や決定プロセスを説明します。ネガティブな要素を隠さず、論理的に説明してくれる企業の態度は、知性への信頼と誠実なブランドイメージを構築します。

ここまで、戦略としてのRJP理論と、具体的なコンテンツの作り方を見てきました。 「理論はわかった、ネタもわかった。でも、本当にそれで成果が出るの?」 そう思われる方もいるでしょう。

ここからは、実際にこれらの手法を用いて「月50万円の予算で13名の応募を獲得した」建設業界の衝撃的な事例を詳細に分析します。

事例研究|月50万で13名応募・3名採用の衝撃

「理論はわかった。でも、うちはIT企業のようなキラキラした会社じゃないし…」 そう思われるかもしれません。しかし、TikTok採用が最も威力を発揮するのは、実は「イメージと実態にギャップがある業界」や「採用難易度が高い業界」です。

ここでは、一般的に不人気職種と言われることもある**建設業界(とび職・現場作業員)**での成功事例を分析します。

月50万円のTikTok運用代行で建設業が13名応募を獲得 半年で3名採用に至った費用対効果とロジックのすべて

業界の「3K」イメージを逆手に取る戦略

建設業界には、いわゆる「3K(きつい・汚い・危険)」というネガティブなイメージがつきまといます。また、「親方が怖い」「上下関係が理不尽に厳しい」というステレオタイプも、若者の参入障壁となっていました。

多くの建設会社は、これを払拭しようと「高い技術力」や「完成した建物の美しさ」をアピールします。しかし、この企業は違いました。彼らが発信したのは、休憩時間の「どうしようもない雑談」や、若手が親方をイジって笑い合っている動画でした。

成果:圧倒的なコストパフォーマンスの証明

この企業がTikTok運用(動画制作・投稿代行含む)に投じた予算は、月額約50万円です。その結果、わずか数ヶ月で以下の成果が出ました。

  • 応募数: 13名
  • 採用数: 3名

これを人材紹介会社(エージェント)の相場で換算してみましょう。建設業界や専門職の場合、紹介手数料は年収の30〜35%が相場です。年収400万円の人材を3名採用すれば、紹介手数料だけで約360万〜420万円のコストがかかります。

しかし、今回のケースでは、その数分の一のコストで同等の採用に成功しました。さらに、媒体掲載費とは異なり、TikTokアカウントには数千人のフォロワーが残り、動画は再生され続けています。つまり、採用単価(CPA)は月を追うごとに下がり続けます。

勝因分析:「かっこいい」より「楽しそう」

なぜ、ここまで若者の心を掴んだのでしょうか。 勝因は、「怖そう」という業界イメージと、動画内の「楽しそうな職人たち」との間に生じたポジティブなギャップです。

  • × 従来のアピール: 「俺たちの技術は世界一だ(ドヤ顔)」→ 若者「すごそうだけど、厳しそうで怖い」
  • ○ TikTokでのアピール: 「仕事は真剣だけど、休憩中は高校の休み時間みたい」→ 若者「意外と話しやすそう。ここなら自分も馴染めそう」

心理的なハードルを極限まで下げたことで、今まで建設業を選択肢に入れていなかった層までもが「この会社なら働いてみたい」と応募してきたのです。

副次効果:指名検索(サイテーション)の激増

TikTok運用の効果は、TikTokアプリの中だけで完結しません。 動画を見て興味を持ったユーザーの多くは、すぐにプロフィールリンクをクリックするのではなく、一度GoogleやYahoo!で「会社名」を検索します。

この事例でも、動画がバズったタイミングで、コーポレートサイトへの指名検索流入が跳ね上がりました。TikTokで「認知」と「興味」を獲得し、Webサイトで「詳細情報」を確認して「納得」し、応募に至る。このクロスメディアの流れを作れたことが、質の高い応募に繋がりました。

求人媒体の中で「条件検索」されて比較されるのではなく、最初から「御社だから」という理由で指名検索される。これこそが、採用ブランディングの理想形です。

採用広報の内製化と資産化

さて、ここまでTikTok採用の有効性を語ってきましたが、最後に運用体制について非常に重要な現実をお伝えします。

採用活動を一過性の「キャンペーン」にしない

求人媒体にお金を払って掲載するのは、いわば「焼畑農業」のようなものです。お金を払っている間は作物が取れますが、止めれば終わりです。

対して、TikTokやSNSでの発信は「土壌改良」であり「植林」です。最初は手間がかかりますが、一度育ったアカウントは、広告費をかけずとも自律的に集客し続ける強力な資産になります。この「フロー型」から「ストック型」への転換こそが、採用費高騰時代を生き抜く道です。

補足:完全内製化の落とし穴と「プロへの部分委託」

「最終的には内製化を目指すべき」という面はあります。ただ、ここには一つ大きな落とし穴があります。それは、「熱意だけで撮った動画は、アルゴリズムに勝てない場合がある」という残酷な現実です。

「社員が頑張って撮影・編集したのに、再生回数が200回で止まってしまった…」 こうしたケースは後を絶ちません。TikTokは「共感」のメディアであると同時に、高度なデータによって制御された「アルゴリズム」のメディアでもあります。

  • 今、どの音源(楽曲)がトレンドなのか?
  • 最初の1秒で離脱されない「フック」の構成は?
  • 同業他社はどんな切り口でバズっているのか?

これらを日々の業務の合間に、素人がリサーチし続けるのは至難の業です。結果が出なければ、現場のモチベーションも下がってしまいます。

「企画・リサーチ」はプロに、「リアル」は社内に

そこでお勧めしたいのが、「企画・リサーチは代行会社」「撮影・出演は社内」というハイブリッドな役割分担です。

  1. 代行会社(プロ)の役割: 徹底的な市場リサーチを行い、「今ウケる構成」や「企画の台本」を作成します。アルゴリズムに基づいた勝てる設計図を用意する役割です。
  2. 企業の役割: プロが作った設計図(台本)を元に、社員が出演して撮影します。ここに、外部の人には出せない「社内の空気感」や「リアルな表情」を吹き込みます。

このように、企画や分析といった専門性が高い部分は外部パートナーに任せ、自分たちは「ありのままを伝えること」に専念する。この体制こそが、最短距離で成果を出しつつ、社内にノウハウを蓄積していくための賢い選択と言えるでしょう。

むすびに:さあ、スマホを持って現場へ出よう

「TikTok採用ブランディング」と聞くと、何か難解なデジタル戦略のように聞こえるかもしれません。しかし、その本質は極めてシンプルです。

「御社の、飾らない等身大の魅力を、正直に伝えること」

これに尽きます。 まずは一本、スマホで日常を切り取ってみてください。もし再生数が伸び悩んだら、その時は戦略部分だけプロの手を借りればいいのです。

大切なのは、目の前の社員の笑顔や、仕事に向き合う真剣な眼差しを「未来の仲間に伝えたい」と思う熱意です。Z世代は、作り込まれたクリエイティブよりも、その熱意や体温に反応します。

その小さな一歩が、御社の採用の未来を、ひいては会社の未来を大きく変えることになるかもしれません。

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